2009/08/27

一年前と比べて

昨日は、Marilinという女の子の、15歳のお誕生日でした。

いつも水曜日の夕方はサルサの練習に出かけるんだけれど、この日ばかりは彼女にお祝いのハグをしたくって、練習を断ってHogarで過ごすと決めてました。なぜって、15歳のお誕生日はペルーでは(中南米全体かな)特別だし、なによりも去年のお誕生日、彼女が泣いている姿が忘れられなかったから。

彼女は3~4歳の頃にお母さんにHogarに連れてこられたんだけれど、それから一度も、お母さんは訪ねて来ない。それをいつも、冗談っぽく、もう来るわけないんだって諦めたような笑顔で話す彼女だけれど、心の中では、いつかお母さんが会いに来てくれる事をずっと待ってるの、あたしは知ってる。かつての日記に書いた事があるけれど、あの時の彼女の表情も、未だに忘れられない。


でも去年の8月のあたしには、家族を想って泣いているであろう彼女の境遇や心境を理解できるわけもなく、かける言葉もなく(ましてスペイン語はまだまだ喋れなかった!)、涙の訳を語ってもらえるようなそんな深い関係でもなかった。なぜなら少女達よりも少年達のお世話係的な感じでちょっと嫉妬されてたし(笑)

だから昨日は、Marilinと一緒に過ごしたかったのね。なんせ彼女、あたしのお誕生日に、かわいいぬいぐるみと、ものすごく感動するお手紙を書いてプレゼントしてくれたんだもん。あたしだって、ちょっとだけでもお喋りして、ハグして、お誕生日おめでとうって、言いたかったんです。


昨日は彼女の面倒を見ているスタッフが外出中だった事もあってパーティーは出来なかったんだけれど、夜のミサでお祝いをしてもらって、滅多にミサに参加しないあたしだけれど、見ていてなんだか胸がいっぱいになりました。そしてミサが終わったと思ったら、やっぱり泣き出しちゃったMarilin。マードレ達が慰めようとしたのに、なんと、あたしの胸に飛び込んできてくれました。…感激。

ポケットに忍ばせていた、小さなぬいぐるみをみんなに見つからないようにこっそりプレゼントして、ハグして、あたしのお部屋に来てちょっとお喋りて、最後はいつも通りお互いに冗談言い合って、トイレットペーパーで涙と鼻水をぬぐいまくっていた彼女が、笑って戻って行きました。


きっとあたしには、今でも彼女の本当の心境は解らない。他の兄弟はみんなお母さんと暮らしているのに、自分だけここHogarに居て、しかも10年以上一度も会いに来てくれないって、どういう気持ちなんだろう。あたしには、想像も出来ない。解ってあげられないし、解ってもらおうって期待もされてないだろうけど。

でもね、一年前の昨日と比べたら、上手く言葉に出来ないけれど、とにかく「良かった」と思えた。一年間で深まった彼女との関係はもちろんだけど、最初はかなりの勇気が必要だったにも関わらず彼らの過去について立ち入った話が出来るようになった自分、真面目な話も冗談も、とにかく色んな会話が出来るようになった自分。そして、最近はHogarに居る事に疲れたなんて愚痴ってはいたものの、あたしのハグや言葉を必要としてくれているこども達が居るという事実。

「こんな活動してます」って言える様な、活動らしい活動は全然出来てないけれど、やり場のない悲しみを抱えて泣いている子が、あたしを選んでくれるっていうだけで、Hogarに住んでて良かったと思えた。どんなにこども達が好きでも、別にあたしは24時間いつも優しい訳じゃない。機嫌の悪い時だって、誰とも喋りたくない時だってあるし、お説教だって理詰めでけっこう厳しくしちゃうし、煙たがられる事だってあるはず。なのに、昨日みたいな事があると、来て良かった、居て良かったって、心底思えます。


来年のお誕生日はハグしてあげられないけれど、
絶対お電話しようって、心に決めました。

1 件のコメント:

名無しさん(62) さんのコメント...

じ~~ん ( ̄- ̄)