2008/09/11

初めての"Te quiero"

少し前、ある少年に「Hermanita, te quiero mucho.(お姉ちゃん愛してるよ)」と言われた。っていうか、いつもの如く最年長のJulioだけど。

「言いたいことがあるんだ」とやってきて、でもすごく照れくさそうに、恥ずかしそうに、「でも大事なことだから言わなくちゃ」って躊躇いながらも言ってくれたその表情や仕草がなんとも言葉に出来ない可愛さでした。この子、人に「Te quiero」なんて言ったのは今まで生きてきた中で初めてでしょう。間違いなく。


お友達同士のお電話の最後に「Te quiero mucho!」って挨拶をして切る人が普通に居るようなノリのこの国で、一度も誰にも、そういう感情を抱いたことがなかったんだよね。日本人の我々から見たらちょっと照れくさいような気がしてしまうけれど、ここでは割とそれが「一般的」なのです。

そんな「一般的」な感情を抱いたことがなかった自分のことを「Mi corazon es muy duro(僕の心は固いんだ)」とずっと言っていた彼。確かに18年間もそんな想いを知らなかったってことは、本当に固かったんだなと思う。だけど初めて「Te quiero」って言葉を口にしてからの最近は、だいぶ柔らかくなってきたように感じることもしばしば。良い兆候です。


すごく嬉しい気持ちと同時に、ここまで信頼されてしまうと、自信過剰かも知れないけれど、あたしと会えなくなった時のこの子が少し心配でもあります。

今まで毎晩あたしのところにやって来ていたけれど、そろそろ突き放してみようかなとか、毎日していたお喋りを少し減らしてみようかなとか、ぼちぼち検討中。

18年生きてきて初めて人を愛するっていう感覚を知ったのであれば、もうちょっと甘やかしてあげたい気もするんだけれど…彼はあと1年ちょっとでこの施設を出ないといけなくなる。ちょいと残酷かも知れないけれど、彼だけ特別扱いをするわけにもいけないからね…。


そんな懸念はあるものの、彼の人生で初めての「愛してる」。
こんな大事な一言を貰ってしまいました。

隊員冥利に尽きます。

コミュニケーション

あらためて日頃からのコミュニケーションの大切さを実感した出来事が。

7月末に17歳になったばかりのPepeは、Hogarの中でちょっと問題児扱いをされている子です。大人たち(とりわけマードレ)に何か注意されるとすぐにカッとなってしまうので、「反抗的」という共通認識が出来上がってしまっていたのです。

でもね、実はものすごく心の優しい子だってこと、あたしは知ってます。もうすぐ3歳になるEliasは、ご機嫌斜めで他の人の言うことは全然聞かなくても、彼がご飯を食べさせようとするときちんと全部食べる。あたしが病気になった時はすごく心配してくれたし、あたしがマードレとちょっと衝突して凹んだ時も励ましてくれたし、人に指示されたことはあんまりやらないくせに、ちょっとしたお手伝いは誰も見てない時にささっと進んでやってしまう、不器用ながらもとっても良い子なのです。


ある時からそんな彼の良いところをたくさん知ったあたしは、みんなに彼の良いところを解ってもらいたいし、彼にもそういう部分をどうやって見せれば良いのかを解ってほしくて、7月はよくお喋りをしていました。つたないスペイン語で、何度も「Me entiendes?(解ってる?)」と繰り返しながら(笑)。あの頃はだいぶ距離感が縮まったような気がして、すごく嬉しかった。

でも8月後半から最近まで、なんだかんだタイミングが合わなくて時間なかったのね。お陰でちょっと注意したい事なんかも上手く彼に届かなくて、Aniversarioに向けての歌の練習も超ヤル気なさそうだったり、相変わらず人に対する期待値の高いあたしは何かと空振りをして、7月に感じていた手応えのようなものも無くなっていき、また一人悲しい思いをしていたわけです。


そんな感じで迎えた日曜日、数週間ぶりに少年達の髪の毛を切りました。7人の少年達の中で一番髪型にこだわりのある彼は、もちろん所要時間が一番長い。つまり、たくさんお喋りが出来たのね。

ここ数週間あんまりお喋りが出来なかったので、あたしの話を素直に聞いてくれるかなって不安もあったんだけど、「解ってるよー!本当はちゃんと会話したいと思っても、マードレに言われるとついカッとなっちゃうんだよ!」と照れながら言う彼。「もうあの人は年寄りで変われないんだから、まだ若いキミが変わりなさい!30過ぎたりしたらほぼ間違いなく男はそう簡単には変われないんだから、今のうちが勝負!!!」と、実体験を題材に無理やり納得させるあたし。かなりいい加減な説得だけど、とりあえず久し振りにも関わらず終始笑顔で会話できたことが何よりも嬉しかった。

そして翌々日、誰が言っても歌おうとしなかった練習タイムに、頑張って日本語で歌っている彼がいるではありませんか!その瞬間、どれだけ嬉しかったか解っていただけますでしょうか。まぁ解ってもらえなくても全然良いんだけど、これ、ちょっと調子に乗っても良いよね。あたしがPepeを可愛がっているように、彼もあたしのこと慕ってくれてるんだよね~。ふふふ。


そんな自惚れとは別に、やっぱりこれって「コミュニケーション」のお陰だと思うのです。マードレやスタッフたちは、注意はするけど、じっくり話したり考えさせたり、良いところを延ばそうとか「キミのことをもの凄く気にかけてるよ」っていうことを伝える事が無いだけなんだ。

ただ「やりなさい」「あれはダメ」「これはダメ」。これだけじゃ、そりゃやらないよねぇ…。怒鳴るでもなく、叱るでもなく、本当にキミのためを思って提案しているんだよっていう会話が出来るという環境が必要だなってことを痛感したわけです。


数日前の日記に書いた通り、かなりの信頼関係が築けたと思っていたJulioに軽く裏切られて傷ついたけど、それでもあたしは彼を信じているし前と同じようにこれからどれだけ変わるか期待してるし、とにかく可愛くてしょうがない。そして、変わらずにそういうスタンスで居るあたしのところに、やっぱりJulioは毎日飽きもせずにやってくるのです。

きっとPepeはこれからもあたしが悲しくなるようなこといっぱいやらかしてくれると思う。いや、間違いなく、そのうちあたしが言うことにも反抗的な態度をとる日がやってくるに違いない。「飼い犬に手を噛まれる」と言うけど、まさにそういう状況になってまた一人で悔し泣きするんだろうと思う。

それでも、あたしは彼を信じて期待し続けると決めました。他の大人たちみたいに「El es muy malcriado!」だなんてこと、口が裂けても言いたくない。絶対に、何が起きても彼を放棄しない。毎日ちょっとずつでも良いからコミュニケーションを怠らないで、「自分のことを見てる人が居る」ってことを、しつこいくらいに感じてもらいたいのです。きっと今まで、そういう人がここには居なかったんだと思うから。


親にはなれないけれど、これまで自分が出会った沢山の年上の友人たちがあたしに良い影響を与えてくれたように、あたしも少し歳の離れた友人として、同じ家に住む家族として、しつこいお姉さんとして、何かしら前向きな影響を与えられるような存在になりたいものです。

2008/09/08

もうすぐ3歳

4月28日にやってきたElias。
あたしがHogar Emmanuelで受け入れた最初の子です。

ついに今月の19日、3歳のお誕生日を迎えます。


体重、12キロちょい。身長、82センチ。

もう3歳になるのに、こんなに小さい。
でもここ2ヶ月間ほど、特に活き活きしてます。


そして今日、お昼ご飯の後にバナナを渡したら
日本語で「ありがと!」って言ってくれました。

すごいよね。
「ありがとう」が「Gracias」ってこと、ちゃんと理解してる。


どんどん成長しているこの子に負けずに
自分も毎日少しでも良いから何かを身に付けたいものです。

2008/09/06

弟たちのConfirmacion

9月6日。Confirmacion(堅信式)に行ってきました。
あたしのかわいい弟たちのために。


昨日の夜は結局かなり残念な結果に終わり…、かなりご機嫌ナナメな状態で一人深酒をして眠りについたわけですが、とにかく彼らにとって特別な日を、愛情いっぱいの気持ちと笑顔で迎えられないと思うだけで、悔しくて悔しくてなかなか眠れなかったのです。

ところが翌朝。自分のアホさを痛感しました。なぜなら、Confirmacionのためにパドリーノから贈られた新しいお洋服に身を包んだ彼らを見たら、本当に「親バカ」ってこういうことを言うんだろうけど、かわいくてかわいくてめっちゃ笑顔でハグしてしまいました。あぁ、なんてバカなあたし…(笑)

キリスト教徒ではないあたしにしてみたら、こんなに近しい存在のあたしを悲しませておきながら、どうやって神様にConfirmarするんじゃいっ!とツッコミたい気持ちは満載だったんだけど…彼らにとっては本当に特別な日なわけだし、式が行われる場所もすごく歴史のあるNazarenaという教会だったのです。そんなこんなで、悔しいことに彼らの装いと笑顔にヤラれ、あたしもめちゃくちゃ笑顔で彼らを送り出してしまいました。


ゆっくりシャワーを浴びてお化粧して、あたしは後から出発。
「12時から」と言われたけれど、なんせココはペルーですから、いくら教会での堅信式だろうと時間通りに始まらないのでは…なんて疑いながらも5分前に到着。すると、あたしの少年たちは最前列にお行儀良く並んで座っていました。(しかもミサは12時ジャストにスタート!ペルー人、やれば出来るじゃないの!!)

あたしを見つけた少年達がすごい笑顔で迎えてくれたこと、「マリはマドリーナだから後ろじゃなくてここにいて」と言ってくれたこと、他の家族に負けずに出しゃばってみんなのお写真を撮れたこと、Confirmacionを終えた誇らしげな少年達とハグできたこと。どれもめちゃくちゃ嬉しかった。


帰りの車の中で「一昨日と昨日のこと、まだ怒ってる?」と聞いてくるJulio。「そんなの当り前!でも、昨日は昨日、今日は今日、ConfirmacionはConfirmacionと割り切ったし、明日は明日だからねッ」と言っておきました。「キミたちがあまりにも可愛くて怒りも吹き飛んだ」なんて本当のこととは、口が裂けても言えませんから…!

この2日間はものすごい腹立たしかったのに、嬉しそうな誇らしげな弟たちを見ているだけで、なんだかすごい満たされた気持ちになってしまいました。ちょっと悔しい気持ちはまだ拭えないけれど、「親心」ってこういうものなのでしょうかね…。


なんとも複雑ですが、とりあえず平和な土曜日でした♪

2008/09/05

初の悔し泣き

ここに来て、初めての悔し泣き。ついにきた。

「もうコイツは大丈夫だ!」と信じていた子があたしの気持ちや考えを理解しているはずなのに、何度も何度も頼んでいるのに、わざとなのか幼い気持ちが戻ってきてしまったのか解らないけれどあたしの希望に180°反することをやらかしてくれました。

傍から見れば大したことじゃないのかも知れないけれど、あたしが毎日のように言っている「時間を守る」ということ、そして「もう大人なんだからやるべき事はやる」ということを完全に無視されたというのが、猛烈に悔しかったのです。さらに、日本語でだったらなんとかくどくどと説得が出来たのかも知れないけれど、頭に血が上った状態な上にスペイン語で言いたいことが満足に言えないという悔しさも手伝って…。泣けてきました。


いつからか、自分が少しでも信頼している人が相手だと、ほんのちょっとした嘘や軽い裏切りだったとしてもかなり、異常なまでにどん底まで傷ついてしまうあたしです。さらに、一番信頼のおける少年に最後の希望を託したのに彼が見事にあたしの期待を裏切ってくれたので…あまりにも悲しくて悔しくて情けなくて、涙が出てきました。一人で居ると冷静なのに、仲間たちと一緒だったからついつい悪戯心が働いてしまったんだと思うんだけど。

夜中、「どうかしてた。ごめんなさい。」と謝りに来た彼に、今はキミとは喋りたくない、何も聞きたくない、顔も見たくないとかなり幼稚なことを言ってしまうあたし。バッサリと追い返してしまいました。なぜなら・・・喋ったらその子の目の前で泣いてしまいそうだったから。

最終的には真夜中に再チャレンジに来た彼を3回目でようやくお部屋に入ることを許し、結局ちゃんとお話しをしたけれど、あたしが彼と笑顔で喋るようになるかどうかは全て、今夜彼らがどんな風に振舞うかにかかっています。


きちんと一人で謝りに来てくれて、断っても断っても粘り強く来てくれた時点で本当は充分。でも、「こども」と言ってももう18歳なんだし、いつか言っていた「ここには色んな人が居るけど、Hogarのすべての人たちと良い人間関係を築けるように頑張るよ」というあの言葉が本気なら、今まで通りの信頼関係を取り戻そうとする必死の姿勢を見せてもらいたいものです。

しかも明日は、少年達のConfirmacion(堅信式)。少年達からお願いされて、リマの教会まで、マドリーナにはなれないけれど、家族として姉として保護者として一緒に行く予定なので、昨日はいそいそとカメラ用電池の充電をしてメモリ削除して何を着ていくかまで考えていた矢先の出来事。だから余計に、めちゃくちゃ空しかった(T-T)

彼らにとって「特別な日」の堅信式を笑顔で見守れるように、あたしもちょっと大人になるから、キミたちも今夜くらいきちんと責任持ってやるべき事をやってくれ!頼むよ!!!


そして…こういう状況になるといつも思うのが、世の中の親御さんたちは本当に偉大だなぁということ。そして、何歳になってもかなりのお転婆だったあたしを根気強く育ててくれた両親は、想像を絶するような大きな器を持っていたんだなということ。

あたしが一緒に居るのは、言ってしまえば所詮は他人の子。それでも、たった4ヶ月間一緒に過ごしただけで愛しくて愛しくてたまりません。そんな子に期待を裏切られただけでこんなに悲しいってことは…何度も何度も親の期待を裏切り続けてきたあたしって本当に残酷なことをたくさんしていたんだなと、今更ながら(本当に今更だよ!と叱られそうですが。笑)痛感するのです。今なら、あの時のママの涙の意味がよく解ります。

良いお勉強、させてもらってます。

2008/09/04

スペイン語

9月に入ってから、というか今週からなぜか、スペイン語を使うことに疲れてきてしまいました…。

普段の会話はまぁ良いとして、こども達とちょっと真面目なお話をするとか、例えばPCの仕組みやら病気のことについて話すとか、新しいボキャブラリーを要するという状況で「頑張って伝えなきゃ!」という意思が働かなくなってきたのです。

月曜日からずっと、夜中にこどもがあたしのお部屋に来てくれても、ちょっと複雑な内容になると「詳しくはまた明日話すけどさ…」って事になってしまうのですね。

8月は日記にも書いてたようにものすっごい勢いで喋って喋って辞書も引きまくってノートにも書きまくって頑張ったから、ちょっと疲れてしまったのでしょうかネ。


でも…11月にDELE(スペイン語検定)を受けるって決めたので、しっかりお勉強します。11月に初級、来年の5月には中級、そして最後の11月には…という魂胆です。目標を立てて、しかもそれを公言しないと実行できないあたし。日本に帰ったら絶対に忘れちゃうからね…(T-T)

こども達に「学びなさい」と言い続けるためにはまず、自分が頑張らないと。

2008/09/03

満点!

英語クラスは2つのグループに分けてやってます。
Secundariaの1&2年と3&4年との二つ。

英語クラスを始めて早数ヶ月…
ちょっと時間が空くとすぐに忘れてしまう子が多いので
かなり心配していたんだけど、
最近なかなか感動的なことがありました。


それは…
1&2年の子たちが学校で試験があって
殆どの子が9割以上の点数だったということ!

そしてみんな「教えてもらったから出来たよ!」と言って
嬉しそうに帰って来てくれたこと!

解答用紙をわざわざお部屋まで取りに戻って
あたしに見せるために食堂に持って来てくれたこと!

今までは20点満点で6点とか8点とか取ってたという子も
初めて英語で16点を取ったと喜んでいたこと!

ずーーーっとお勉強したがらなかった子が
なんと20点満点を取って帰ってきたこと!!!

そんなこども達の笑顔がすごく嬉しかったのです。


あぁ~教えてきて良かった…(T-T)
ま、内容はかなり低レベルなんだけどね。
というか、学校の授業がかなり酷いんだよね。

こども達も、ちょっと頑張れば良い結果に繋がるってこと
少しずつでも良いから理解してくれたら良いなと思う。
(自分の高校時代は棚に上げて…笑。)


スペイン語で英語を教えるのにちょっと
疲れてきたところだったので…これでまた頑張れます。

次回は全員、満点取れよッ!