最近よくあたしのお部屋に遊びに来る18歳の少年Julio。
殆どの子は、あたしのPCやカメラや音楽が目当てで来るんだけれど、
彼はどうやらあたしと会話がしたくてやって来るという事が判明。
色んなことを喋って喋って、気が済むと帰っていくのです。
そんな彼がふと漏らした、気になる言葉。
小さい頃に暴力をふるわれて育った子は、
大人になって同じように人に暴力をふるうって言うでしょ。
僕は5歳の頃からずっとこの施設で育ったから、
たまに家族に会って数日間一緒に過ごしたりしても別に何も感じないんだよ。
愛情とかそういうの、感じないんだよ。
人に触れたり触れられたりっていうのも、好きじゃないんだよ。
必要以上に人に干渉しようという気も起きないんだ。
家族の愛情とかを感じた事がないからかも知れないね。
…と。
これを聞いたとき、本当に悲しい気持ちになりました。
あたしの恵まれまくった人生とはあまりにも違うので、語学力の
乏しさも手伝って、なにも言う事が出来ませんでした。本当に、殆ど何も。
しかも、こういう事、自分で淡々と話すんだもん。
だけどそれと同時に、ちょっと嬉しくもなりました。
なぜかと言うと、あたしに言わせれば彼は、彼が自分で言ってる程、
他人と干渉しない子ではないから。
確かに彼は、常にスキンシップを避ける傾向にある。
挨拶はするけど、ハグ&キスは殆どしたことなかったし。
でも、ここ数ヶ月間の彼との出来事を思い出すと、
ちゃんと他者を受け入れてる子だなって思う。
例えば、食堂の中から。
外出先から疲れて帰ってきたあたしを食堂の中から見つけて、
真っ先に笑顔で「早く早く!」って手を振ってくれたのは彼だった。
例えば、遠足行きのバスで。
あたしがバスに乗って、さぁ何処に座ろうかなって見渡した瞬間に
真っ先に一番後ろで「ココ!」って手を挙げたのは彼だった。
例えば、ミサンガ。
作り方を何人かに教えたけど、
「最初の一つ目は、完成したらマリにプレゼント」と言って
あたしに贈ってくれたのは彼だった。
Julioはそういう瞬間のちょっと照れくさそうな自分の笑顔が
どれだけ良い笑顔かってこと、まだ全然知らないでいる。
それを、感動屋のあたしがどれだけ喜んでるかも、解ってないよね。
そんな事を思い出して「最近そうでもないんじゃない?」と訊いたら
「そういうのって感染するんだよ」って、ちょっと気まずそうに笑って答えました。
そう、その通り。こういうの、感染していくんだよね。
本人は気づいてないだけで、じゅーぶんに愛情深い少年なんです。
スキンシップを敬遠しがちなのは百も承知だけど、そんなの無視して
これからあたしが毎日ハグして、ほっぺたつねって、触りまくってやる!
本当に短い時間しか共有出来ないけど、あたしがたくさんの愛情を注ぐから、
キミもこれからの人生で出会うたくさんの大切な人たちに「これでもか」って
言うくらいたくさんの愛情を注いでねと願うばかりです。
嬉しくても悲しくても辛くても何でも良いから、いつかこの子が、
他者との係わりの中で何らかの涙を流す瞬間を見てみたいものです。
残された時間の中で、どれだけこの子を変えられるか。
小さいけれど、あたしの野望。
30過ぎたら人はそう簡単には変わらないけど…
10代の少年達は、まだまだまだまだいくらでも変わる余地があるからね!
4 件のコメント:
Julioの初恋がMARIしゃんだね!(*^。^*)
バレンタインにはチョコをぜひ彼に!
って、ペルーにチョコはあるのか?
ちょこっとだけならあるか!
(チョコと…)
ふむふむ・・・スクールカウンセラーも兼任なんだね。子供達にとっては信頼できるお姉さんかな?
何も言わなくても、黙って聴いてあげるだけで充分だと思うよ。そういう人がいてくれるだけでね。
それにしてもたった3ヶ月余りで、そこまで子供達が心を開いてくれるなんて驚きたよね。
私がその年頃の頃は、家族にも先生にも何も話さなかったもんね。
ま、優しくて熱いマリコの思いが通じたんだろうけど、もうしっかりと「特別な存在」になってるんだね。
そんなに慕われちゃってると2010年の春に帰国出来るの??(ちょっと心配)
>kararin
そうだね~。思春期の子が、まさかココまで心を開いてくれる子がいるとは思わなかったからね。色々ある中で、マードレに付かずにこども達の楽しさ優先で頑張ってきた甲斐があったのかな。
日本にはちゃんと帰るから心配しないで!いつもあと19ヶ月!とか言ってるからね。
初めてコメントいたします。
Julio君、昔の僕みたいな態度で同じようなこと言ってますね・・・鏡を見てるようだ。
僕も昔そんなこと言ってて、人に触れられるのが大嫌いで、ある語学学校で知り合ったお姉さんに
よく頭なでられたり抱きしめられたりして弟扱いされてお姉ちゃん大好きになりました。
ちょっと言葉は違いますが、Julio君が受けた災難に対する報酬と、受けた災難の後に失ったものより良い素晴らしいものが与えられることを祈願します。
إنَّا لِلَّـهِ وَإنَّا إلَيْهِ رَاجِعُونَ، اللَّهُمَّ أجُرْنِي فِي مُصِيْبَتِي، وأخْلِفْ لِي خَيْراً مِنْهَا
そしてMariさんにも良い報酬がありますよう。
جَزَاكَ اللهُ خَيْراً
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