協力隊員としての活動ではないけれど、Hogarを出て行ったこども達がどうしているのか気になるし、しかも、マードレが変わったら戻ってくる可能性も無いわけじゃない。だから、この夏休み中にどうしても会っておかなきゃと思うわけです。
彼らのお家は、リマの中心地から少し東に離れた「San Juan de Lurigancho」という地域。治安が悪くて行ってはいけないギリギリの地域だからJICA事務所の方には少し心配&ご迷惑をかけてしまって非常に申し訳なかったけれど、会いに行けて彼のここでの生活が垣間見れて本当に良かった。
Danielは、Hogarを出てたった一ヶ月しか経っていないのに、なんだかすごく大人になったように見えた。
※Danielが「リマのマチュピチュ」と言う急斜面。納得(笑)
これまでにも何度かお電話をくれて、弟Juan Carlosも彼も、新しい学校に行くための制服やらノートを買うために働いているという話を聞いていた。弟は叔父さんと一緒に建設現場で、Danielは叔母さんの働いている縫製工場でお手伝いをしているとか。10時間くらい働いているから、アルバイトって言うか、もう本気の労働の域に達している。
元気なの?どーよ?って聞くと、いつも「Bien!」って応えるから、特に問題もなくやってるんだと思ってた。でも、お家のお電話で喋ってるんだから、そりゃ問題あっても「ここに居たくない」だなんて口が裂けても言えないんだよね…。
住んでいるお家はけっこう大きかったし、電化製品も揃ってそうだったし、不自由なくやってるんだと思ったんだけど、実際にはやっぱり色々と大変らしい。引き取ってくれたご家族だって裕福なわけはなく、二人は当然のことながら稼ぎ手扱い。毎日働いていても、彼らが自由に使えるお小遣いは1ソルだって貰えないのでした。
ちょっと痩せたDanielに、工場のお仕事はそんなに大変なのかと訊いたら、仕事は大したことないけど、たまにお昼ご飯を食べられない時があるんだ、と。食べるのが大好きで、かつてEliasの朝ごはんのゆで卵を勝手に食べちゃってマードレにめちゃくちゃ叱られていたあのDanielが、ご飯を食べられないでいる。さらに、僕はあと一年で学校を卒業するから、そしたら弟が卒業するまでの3年間は彼のために働くんだ、と笑顔で言う。
毎日働いているのに、お小遣いは全然貰えないの?何か欲しい時は叔母さんにお願いしてるの?と訊いてみた。なぜなら同じく叔母さんに引き取られたJulioやRicardoは、働いてないけどたまにインターネットに行ったりしているの知ってたから。そしたら、「僕たちはお金は受け取らない。叔母さんが、何か必要なら言いなさいって言ってくれるけど、欲しいものはあっても、頼むのは恥ずかしいし嫌だし、そんなの頼めないよ。」と。
お仕事は大変でも、ご飯はお腹いっぱい食べられなくても、でもご家族が良い人たちで良かったね、安心したよと言ったら、実はそうでもないらしい。やっぱり若干ではあるけれど「お荷物」扱いで、色んなこと言われているらしい。「だけど嫌だとか文句も言えない。だってココで生活させてもらってるんだもん。」だって。
こういう状況の中で、聞き出さなくちゃ弱音一つ吐かなくなったDanielに、成長したなぁと感動しつつも、自分が情けなくなってしまった。「ねぇセニョリータ!あの頃みたいに何かアドバイスしてよ!」とキラキラした目で言われても…何も言葉が出てきませんでした。
だってもう、色んなことが解ってきてるんだよね。Hogarに居た頃は、スタッフ達の言うこと聞かずにお掃除サボったり夜中に抜け出して事故にあったり散々好き勝手やってきたけど、あの場所がどれだけ恵まれていたか、もう充分すぎる程に解ってるんだよね。
2時間待っても帰って来ない弟を諦めて2人でお昼ご飯。この町に似つかわしくない雰囲気の良いセビッチェリアで、セビッチェと、チチャロンと、アロスコンマリスコスを注文。え、多すぎ?良いのです。いっぱい残して、弟に持って帰らせる作戦ですから!
二人でHogarの懐かしい話をしながらいっぱい食べました。「セニョリータに叱られた時のこと、今でもすごい思い出すよー。」と笑いながら話すDaniel。中でも、歯医者さんの予約時間に3回続けて遅れた時のあたしのキレ具合とか、夜中に抜け出して事故に遭って帰ってきた時に泣きながらほっぺたひっぱたいた事とか(笑)
まだ一ヶ月しか経ってないのに、毎日一緒にいたもんだから、ちょっと離れるだけですんごい長いこと会えなかった気分。でも、もしかしたら、Danielが大人になったから余計に時間が経ったように感じただけなのかなとも思ったり。
別れ際「何かあったら遠慮なく連絡してね。あたしに出来ることがあったら思い切って相談してね。」と言うと、「セニョリータ、…実は僕、…スニーカーが欲しいんだ。」と、すんごく恥ずかしそうに言うDaniel。
スニーカー?え、そんなんで良いの?
お小遣いが欲しいとか、そういうことかと思ったら、スニーカーだって。サンダルと学校に行く靴しか持ってない彼は、近所のお友達と、サッカーがしたいんだよね。そんなの、何足だって買わせて頂きますとも。
12月、彼らがHogarを去る少し前のChocolatadaのイベントで、日秘協会のマドリーナ達からこども達一人一人に贈られた新品のスニーカー。大きい男の子たちのは、マードレに取り上げられて、今でも彼女の部屋に保管されているのを、あたしは知っている。
これからは、あたしが彼らのマドリーナ。
来週末は、Polvos Azulesにスニーカー買いに行こうね。
かっくいーやつ、探そうね。
5 件のコメント:
これが現実ですか。想像以上だね・・・・
危険ギリギリの地域に、マリコのかわいい子供たちが住んでいるという事実がもう辛いところだよね。
あまり心を痛めすぎないように!日本に帰る時の事を想像するとこっちまで悲しくなるよー
やめて~!それを言わないで!!
日本に帰る時の事はいつも考えているけれど…今しかできないから、注げるだけ注ぐしかないよね。
活動とは関係ないけど、彼らに出会ってしまったんだから、もう仕方ない。
「誰かに愛される感」を、少しでも良いから残された時間でなんとか。
南米だからサッカーだよね、やっぱ!
もし、お金に余裕があるなら、サッカーボールも買ってあげてぇ~!(>_<)
サッカーボールは日本だと千円~数千円だけど、ペルーだと???(>_<)
自由にできるボールがあると相当うれしいよ!
友達にも自慢できるしさ!(たぶん)
今、気づいたけど、
>大きい男の子たちのは、マードレに取り上げられて、今でも彼女の部屋に保管されているのを、あたしは知っている。
なんて意味のないことを!(T_T)
日秘協会に報告しないと!
とられて泣いてるって!(>_<)
大人が子供をいじめるなぁ~(;_;)
>名無しさん
そうねー。本当はプレゼントさせてもらいたいものは山ほどあるんだけど、あんまり一気にプレゼントしてもそれはそれで問題を引き起こしかねないからね。とりあえず今回は、スニーカー一足だけにしておくの。
そうじゃないと、引き取ってくれた叔父さんや叔母さん、従兄妹たちの反感を買いかねないからね…。難しいよ~。
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