2008/04/29

現実がやってきた

すごい現実に直面しました。

昨日の午前中、「今日で8日目だね。だいぶ慣れたよね。」って、マードレとスタッフと3人でオフィスで話していた時、来客がありました。誰かと思ったら、40代の男性が、2歳6ヶ月の男の子を連れてきたのです。ここHogarで預かってほしいって。

ここの環境には慣れたけれど、まさかこんな出来事がこんなに早く起こるとは思ってもいませんでした。まぁ考えてみれば、ここに住んでいる40人の子どもたちにはみんなここHogarでの初日があるわけで、こういう事ってきっと日常茶飯事なんだよね。

パパにあたる人は、ママと別れてから子どもをどっちが育てるかでかなりもめたらしい。2人の子どもがいたんだけど、6歳の息子は別の知り合いのところへ預け、この2歳半の子をHogar Emmanuelに預けようということになったそうです。

でもママに会ってみないと話が始まらないということで、みんなでママに会いに行くことになりました。砂漠の中のひどい道を、パパとEelias(赤ちゃん)と、マードレとスタッフとあたしで、運転手さんに頼んで出かけました。

ママは、パチャクーテという、新しく貧困街が出来た場所で他の男の人と住んでいました。その男性は、パパを家に入れるのが嫌だと言うので、私たちが彼らのお家にお邪魔してお話を聞くことに。お家は、ほったて小屋でした。ドアはあるものの、床がない。どーゆーことかと言うと、イスやテーブルが、砂の上に置いてあるのです。マードレに、「マリ、見てごらん。他の家もこういう状態がほとんどなんだよ」と言われるまで、なんとなく違和感を感じながらも気付けませんでした。それよりもラジオの横に置いてある金色の招き猫が気になって気になって・・・(笑)

床はなくても、マードレ曰く、お邪魔したお家はとっても良い方だそうです。それなりに整理整頓されていたし、ドアに鍵もついていたし。キッチンと言われた場所は、うーんとうなってしまうような場所だったけどね。それから、窓はなかったけど、壁と屋根の間に隙間があるから風通しは良いのがよく解りました・・・。あとは、電気は通っているけれど、水道はないので定期的にタンクのお水を買っているそうです。同じペルーでも、こうも違うのかと思うよね。


その後、みんなで警察に行き、弁護士さんと介してお話をし、正式にHogarで預かることになりました。連れて帰ると、総勢40人の子どもたちの溺愛っぷりがすごい。今まで最年少だった5歳のFabricioと4歳のMailyが、ものすごいお兄さん&お姉さんに見えるのです。夕飯後には抱っこ大会で、みんなで歌を歌っていました。

どんな歌かと言うと、「あたしはあなたを愛してて あなたは私を愛してて 私たちはとっても素敵な家族だよ」っていう内容の歌です。家庭に問題があるからという理由でここで生活している子どもたちが、この歌をみんなで歌うんだよ。これを泣かずに聞くことが出来るかい?!


ここの子どもたちは、自分が来た時もこうやってあったかく迎えられて、新しく来た子どもをこうやって迎えてあげるんだね。すごいよね。

夜は、Hogarのあたしのお部屋で、ものすごいかわいい寝顔で眠ってました。時々、子どもたちが順番にこっそりと覗きにやってきては、かわいいねって言って、帰って行きます。

12歳のSebastianも、見に来ました。ふと気になって、「キミが来た時もこんなだったの?」と聞いてみた。そしたら、「そうだよ。このくらいの時だったよ。…もう行くね。」って、目に涙をためながら出て行きました。

はぁ。聞いていいものか・・・と思ったりもしたけど、これが、ここの現実なのです。


そしてEliasの咳が気になって殆ど眠れないまま夜が明け、今日はすぐ側にあるEmmanuelが運営している病院に連れていきました。彼は2歳半なのに、まだほとんど歩けないのです。言葉も、なかなか喋れない。これからしばらくの間は、内科の先生の他に、言語リハビリと、歩くためのリハビリを受けることになりました。

お腹は、ぽんぽんです。ただの幼児体型なのではなく、栄養失調からきているのでしょう。それから普通の小さい子は「ミルク」って言葉を覚えるはずなのに、「お水」ばっかり言うのです。きっと、お家でミルクを飲ませてもらえなかったんだね。だから、ミルクがテーブルの上にあっても、「agua、agua」としか言わないのです。これまた切ない・・・。


マードレには、どうやって子どもを受け入れるかよく見てね。マリの初めての子どもだね。って言われました。そんな流れで、しばらくあたしが面倒見ることになりそうですが・・・ちゃんと区切りをつけないと、かなりの疲労がたまりそう。

昨日の朝、自分の活動としてやりたい事を色々とまとめ始めて、マードレやスタッフたちにぼちぼちと相談し始めようかなと思っていた矢先の出来事。

これも現実だけどね。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私たちのように恵まれた人には
わからないような、そっちでは
日常の信じられないような現実が
あるんだね。
いろいろ考えていても、計画どおり
に行かないんだね。
直面するひとつひとつの現実を
しっかり受け止めながら、現実に
即した援助をしていかないとね。
きっとこの数日で、まりこちゃん、
いっぱい成長してるんだろうな。
背が伸びると膝が痛くなるように、
精神的な成長は、心の痛みを
ともなうのかも。
がんばれ!応援してるぞ☆

Mari さんのコメント...

のんちゃん

うん…。初っ端にガツンと来た感じだよ。びっくりしたよ。でも、本当にこれが普通なんだよね。この子の両親の話を聞いても、マードレもスタッフも驚かないの。会話の途中で笑いだしたりするくらい。

警察では、あたしたちを見て、家庭に問題がある子どもが居るんだけど預かってもらえないか?って相談を立ち話で数件受けるくらいだし。

心はけっこう痛いです。でも、親と離れ離れになる子どもの心の方がもっと痛いよね。がんばるよ☆